【GIANTS】短編集6

☆ネクタイ［坂本勇人］ ページ8

結(ゆい)→坂本家長女
_____
勇人は九州の後は甲子園だからいつもより大きな遠征









そんな中涙目で黙り込んでしまった結









坂「結どうしたん？」









私も勇人もその理由が分からなくて困ってる









勇人はもう出発しなきゃだけどそんな結に話しかける









本当に何かあったのかと不安になってきたとき









結「パパ行っちゃう…」









結は小さな声でそう呟く









これには勇人も目を見開いて驚いた様子









「寂しいの？」









こくりと揺れる小さな頭









そっか、寂しかったのか









坂「せやな、パパも寂しいなぁ」









結の髪に指を通し顔を覗き込む









しばらく家に帰ってこないからね
そりゃ寂しくなるか









坂「でももう行かなあかんねん、ごめんな」









結はそんな勇人を引き止めるみたいに袖を引っ張る









結「んー」









困ったように笑う勇人









坂「ほらおいで」









結を抱っこして立ち上がる









勇人も流石に時間だから玄関に向かう









結「パパ行っちゃやだ」









「大丈夫だよ、電話とかできるでしょ？」









坂「そうそう、電話してや」









肩に顔をうずめる結を玄関におろし靴を履く









あれ、勇人ネクタイしてない









「勇人、ネクタイは？」









坂「今日付けてこうと思っとったやつ結が持っとんねん笑」









その言葉に結をよく見ると左手に握られている勇人のネクタイ









「結、パパそれ欲しいって」









結「…ゆいがつけてあげる」









少しうつむき気味だった結は









しゃがみこんだ勇人の首にネクタイをかける









坂「ありがとう、結が付けてくれたんなら頑張れるわ」









もちろん締めることは出来ないから練習途中の蝶々結び









坂「パパ結の笑った顔が好きなんやで」









終始泣きそうだった結の鼻を何度もちょんちょんする勇人









まだ寂しいのかな









するとにへっと笑う結









「結、パパに行ってらっしゃいは？」









結にそう促す









結「パパ行ってらっしゃい！」









最後には元気になった結









坂「ん、ありがとう、行ってきます笑」









_____
坂(これ直したないなぁ、このまんま行ってもええかな笑)

☆4安打［小林誠司］→←☆ケーキ［宮國椋丞］

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す