【GIANTS】短編集6

☆ダイヤモンド［大城卓三］ ページ47

今日病院で検査を受けてお腹にひとつ小さな命が宿っていることを知った









この頃体調が悪かった理由がわかりほっとしながらも









手元にあるエコー写真を眺めて少し不安の混じった感情になる









そんなことを思っていると付けていた野球中継の中で一気に湧く歓声









何かと思い慌てて振り返れば満面の笑みでダイヤモンドをかける卓三の姿が









ベンチから出てきた選手の真ん中でぐちゃぐちゃに









サヨナラホームランだ…！かっこいいなぁ









もちろんヒーローは卓三で誰よりも輝いたお立ち台だった









大『普段たくさんの方に支えてもらっているおかげです！』









この日はデイゲームなので夕食はどこかで食べようと話していて









決して広くはないけれどそれなりにオシャレなところ









妊娠してる事伝えよう









「ごめんね、遅れちゃった」









大「大丈夫、待ってないよ」









料理が届きいただきますと声をそろえる









「ヒーローおめでとう、かっこよかったよ」









大「うん、ありがとう」









いつもは言わないけどこんな日ぐらいと素直になってみる









ジュースをゴクリと飲んで私を見つめる卓三









大「あのさ、A」









「ん？」









大「今日に限らずいつもなんだけど、Aには本当に感謝してる」









「ふふ、うん」









嬉しくて思わず笑みが零れて心にじんわりと温かさが広がる









大「ご飯のこととか、精神面もAに支えられてる部分が多いから









本当にありがとう」









面と向かって言われた恥ずかしさもありありがとうなんて嬉しい言葉を言われた喜びもあり









頬が緩む









「こちらこそありがとう









でね、私からも話がある」









言ったら喜んでくれるんだろうか









大事にしまっていたエコー写真を差し出す









大「へ！？」









目を見開きびっくりした様子の卓三









「赤ちゃんができました」









大「まじで？めっちゃ嬉しい…」









私の手を取りダイヤモンドをかけた時と同じダイヤモンドのようにきらきらとした笑顔を見せてくれた









大「Aありがとう、大好き」

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