【GIANTS】短編集6

☆ボール［宮國椋丞］ ページ40

我が家の可愛い長女は歩いたり走ったりと動きたいざかり









今も元気に部屋中を駆け回る









公園とかに連れてきたいんだけど雨だしなぁ









宮「ドーム連れてく？」









「いいの？」









宮「選手の特権」









一面芝生の練習場につき椋丞の腕から降りた柚葉は一目散に走り出す









柚葉「わぁー！」









一生懸命な後ろ姿にこけないか心配になるけどひたすら可愛くて、可愛くて









宮「うぉー」









柚葉「にゃはは」









そんな柚葉の後ろを追いかける椋丞









もちろん椋丞の方が足が早いんだけど追い越さないようにゆっくり走って









「柚葉にげてー」









柚葉「わー！」









1度立ち止まって振り返り椋丞を見つけた途端また笑顔になって走り出す









そんな光景をビデオにおさめていると









「あ」






宮「あ」






柚葉「……」









足がもつれこけてしまった柚葉









あー泣いちゃう笑









走りよった椋丞がサッと立ち上がらせて大丈夫？と顔を覗く









でも歪んだ顔は泣き顔になって









「芝生だからまだ大丈夫かな」









宮「うん、怪我はしてない」









椋丞に体を預け背中をとんとんされる柚葉









「いたい？」









柚葉「うん」









「痛いの痛いの飛んで行けー」









柚葉の鼻をなでなでして椋丞の肩に飛ばす









宮「ママに飛んでけー」









「うーいたい」









泣き真似をしてみると笑顔を取り戻す柚葉









よかった泣き止んだ









柚葉「あー」









そんな柚葉が指さしたのは芝生に転がるボール









拾ってあげると嬉しそうに両手で包む









手が小さいから包みきれてないのもまた愛らしい









宮「キャッチボールしよ」









柚葉を降ろして反対側に私と椋丞が









2メートルぐらいだけどキャッチボールにはちょうど良い距離かな









「ゆずはーそれ投げてー」









手をメガホンに叫んでみると手の中にあるボールをじっと見つめた後









にへへと満面の笑みで走ってくる









宮「手渡しスタイル笑」









はいと椋丞の手にボールを置いて戻っていく









転がしてボールを渡すとそれを拾ってまたこちらへ歩いてくる









宮「本当に可愛い」

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