【GIANTS】短編集6

☆長靴［菅野智之］ ページ36

優月(ゆづき)→菅野家長女

＿＿

遠征から帰ってくる智之を迎えに行く









でも外はあいにくの雨









「優月、お外雨だから長靴履いて」









智之が絶対似合うと買ってきたピンクの長靴を差し出す









優月「このお靴やだ、こっちがいい」









だけど腰掛ける優月は隣にあるサンダルを指さす









夏用に買ったやつなんだけど新しいから履きたくなるよね









「でも雨だから濡れちゃうよ」









優月「いやーだ」









「これパパが買ってきてくれたやつだから履いたらパパも喜ぶと思うなぁ」









優月「……じゃあ履く」









優月はいつも智之を出すと渋々といった様子でやってくれる









なんだかんだパパには弱いんだろうな

＿＿
優月「パパー！」









智之を見つけるなり走り始めた優月









雨で滑りそうで焦ったけどなんとか智之の元へ









隣にいるのは誠司くんかな









菅「あ、優月！」









優月に気づくとすぐ笑顔になって走りよってきた小さな体を受け止める智之









「おかえり」









菅「ただいま」









小「お疲れ様です」









「誠司くんこそお疲れ様です」









誠司くんも爽やかに挨拶を返してくれる









智之に抱きかかえられた優月は嬉しそうに抱きしめ返す









小「優月ちゃんおいでー」









そこへ手を伸ばす誠司くん









「優月、誠司くん抱っこしてくれるって」









優月「パパがいーの」









それなのに智之から離れない優月









誠司くんは断られたのにどこか安心した顔をしてそっかと頭を撫でてあげる









菅「それパパが買った長靴？」









優月「うん、履いてきたの！」









その後3人で家に帰る途中









帰る頃には雨もやんでいて私と智之に挟まれて手を繋いで歩く優月









「優月パパに言うことあるんでしょ？」









試合を見ている間、家を出る前パパに言うんだ！と張り切っていたのに









いざとなると恥ずかしいらしく









優月「言わない」









歯を見せて笑い俯く









菅「なにー、気になるじゃん」









そんな智之を見上げたあと









優月「パパかっこよかったから大好き」









小さいけど確かに聞こえた声









菅「へへ、ありがとう」

作者です→←☆人参さん［小林誠司］

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