【GIANTS】短編集6

☆人参さん［小林誠司］ ページ35

夢羽(むう)→小林家長女
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体が重くてベッドから起き上がれない









というのもお腹の中には2人目の赤ちゃんが









知ってるのは誠司だけで夢羽にはまだ内緒









小「リビングにおるからあかんかったら呼んで」









夢羽「ママー夢羽もおる！」









「ありがと」









小「ほんまに落ち着くまで寝とってよ」









無理に起き上がったことがあってから念を押されるようになった
＿＿









少しして体も楽になりリビングへ行くと









夢羽「んーん」









小「食べへんと大きくなれんで？」









柔らかい口調でスプーンを差し出す誠司と口を固く結ぶ夢羽が









そっか、お昼の時間だ









小「あ、A大丈夫なん？

夢羽が食べてくれへんよー」









助けを求めるような目を向けられる









夢羽「ママ、痛いのないない？」









「うん、ないない」









夢羽の隣の席に座りながらそう返す









「夢羽これイヤ？」









夢羽「うん、やーだ」









よく見ればスプーンに乗っているのは小さな人参









昨日はブロッコリーがいやって言ってたけど今日は人参なのか笑









「そっかー、人参さん夢羽に食べて欲しいって言ってるけどなー？」









夢羽「人参さんが？」









小「夢羽ちゃん食べてー」









誠司に目配せすると裏声を出して人参さんを演じる









「下手(笑」









小「今のはちょっとあかんわ笑」









でも夢羽は









夢羽「じゃあ食べる！人参さんごめんなさい」









ぶんと大きく頭を下げて嬉しそうに1口









誠司の人参さんの役が上手だったのかはおいといて最後まで残さず食べてくれた夢羽









小「偉いやん、全部食べたで」









よかった、よかった









私たち2人もご飯を食べ終わり









「ねぇ、夢羽大事なお話があるんだけど聞いてくれる？」









そろそろ伝える頃だから









誠司はなんか嬉しそうにソワソワしてるんだけど笑









「今ね、ママのお腹の中には夢羽の妹か弟がいるんだよ」









夢羽「本当！？」









小「ほんとやで、夢羽お姉ちゃんになるん」









ぱっと弾けるような笑顔でやった！とはしゃぐ夢羽









夢羽「お姉ちゃん頑張る！」

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