【GIANTS】短編集6

☆遠征［石川慎吾］ ページ4

石川side









遠征のための荷物をいつもより大きなリュックに詰める









クローゼットを開けてスーツを見ていると









どこからか視線を感じて









振り返った先にはドアのところに立ってちょっとだけ顔を覗かせる美桜が









石「美桜、どうしたん？」









美桜「…パパ行っちゃう？」









なんだか少しか弱い声









美桜は俺が少し遠めの遠征の時









いつもより大きなリュックにスーツ姿なのを知ってるから









それらを目にするたびこうして聞いてくる









石「おん、今日の夜お家出る」









夜までには出なあかんしな









美桜はちょこちょこと俺の方に歩いて来て









ズボンの裾を握る









美桜「やーや」









目も合わせず首をふって









そんなんされたら行きにくいやん笑









石「すぐ帰ってくるから大丈夫やで」









しゃがみこんで美桜を抱き上げたと同時にAが









「あ、いたいた









リビングにいたはずなのにいなくなっててびっくりしちゃって」









美桜のこと探しとったんか









石「美桜に『行ったらいや』って言われた」









Aに今あったことを説明したら









「美桜パパのこと大好きだもんね笑」









俺の腕の中の小さな背中をさする









すぐ会えるから大丈夫と声をかけていて









石「美桜、俺のこと応援してくれるやろ？」









俺からもなんか声かけようと思ってそう言ったんやけど









美桜「美桜も一緒に行く」









美桜は駄々をこねる









俺もできたらずっと一緒におりたいで









石「またすぐ会えるやろ？」









渋々といった様子で頷く美桜









それでも俺が家を出る時には元気になっていて









「いってらっしゃい」









美桜「パパ勝ってね！」









笑顔で手を振るAの隣で俺を見上げてくる









こんなにかわええ2人を家に置いてくんはちょっと嫌やな









なんか俺が行きたくなくなったんやけど笑

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