【GIANTS】短編集6

☆カーネーション［小林誠司］ ページ28

Aが洗濯にベランダに出たタイミングを見計らって2人を招集









小「明日はな『母の日』やねん」









愛夢「母の日？」









俺の言葉に愛夢はクリクリの目を向ける









小「そう、ママにいつもありがとうって伝える日

でな、ママにお手紙書いて欲しいんやけどできる？」









夢羽「うん！」
愛夢「できる！」

_
野球からの帰りお花屋さんで買った3輪のカーネーション









「あ、おかえりー」






小「ただいま」









夢羽と愛夢に手招きし廊下に呼ぶ









小「これお手紙と一緒にママにあげるお花」









2人は赤い花に興味津々









そのあとは相変わらず美味しいAのご飯をおなかいっぱい食べて









ほっとひと段落ついたところでそろそろかなと話を切り出す









小「A、今日はなんの日でしょう」









「え？んー」

夢羽の頭を撫でながらなんだろうと考えるA









絶対分かってるやん









夢羽「今日はね母の日だよ！！」









元気よく答えを教える夢羽









「そっか母の日だ」とまだおさなくみえるニコニコ顔に少しきゅんとする









部屋から手紙とカーネーションを持ってきて夢羽と愛夢に渡す









Aの正面に立って2人で声を揃え









「「ママ、いつもありがとう」」









時々お互いを見ながら一生懸命声を出す姿にAも俺もつい頬が緩む








「ありがとう、これお手紙？」

夢羽「そうだよ！」

愛夢「ママ大好き！」









2人を抱きしめて少し涙ぐんで見えるのは気のせいにしておく

＿＿

渡してくれたお手紙を開くとまだ上手には書けないながらも









拙い平仮名で書かれた『ママありがとう』の文字








夢羽のには『これからも大好き』なんて言葉もあって、愛夢のには4人の似顔絵









一生の宝物にするね









読んでいる途中で少し視界がぼやけてしまって隠すのに必死だった笑
＿＿
2人を寝かせてからリビングで二人きり





「嬉しくてちょっと泣きそう」





そう言いながらも柔らかい微笑みを浮かべる






小「Aこれは俺から、お母さんになってくれてありがと、これからもよろしくお願いします」





1輪のカーネーションしか渡せないけど心の底から感謝してんで





小「愛してる」





「んふふ、ありがとう」





柄にもなくおでこに口ずけたりして恥ずかしい笑

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