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side 灰谷
問題を解いている生徒の様子を巡回して見回っていると、上杉陸斗の卓上には開成中学の過去問題集が置かれていた
彼の志望校は麻布中学のはず...
灰谷「陸斗、どうして開成の問題集を？」
上杉弟「あぁ...家にあったから、ちょっと面白そうだなと思って」
問題集を開いた時、中から解答用紙が滑り落ちてきた
灰谷「あっ...ごめんごめん」
解答用紙を拾い上げると既に鉛筆で解答が記載されていて、添削もされていた
灰谷「この文字は海斗だな？」
上杉弟「あぁ...そうかも」
数ある解答用紙を捲っていくと、国語の解答用紙には花丸が付けられていて‶一回目でこれだけ記述問題が書ければ上出来 この調子でがんばろう！″のメッセージが添えられていた
灰谷「この添削は...黒木先生」
海斗の志望校は開成中学...？
side 黒木
校長室から講師室に戻るとそこには島津さんの姿があった
島津「黒木先生！」
黒木「島津さん...」
島津「先生にお話があって来ました」
彼にそう言われて空き教室に移動すると彼は言った
島津「先生...僕は受験をやめます」
黒木「...それはお母様と話し合って決めたんですか？」
島津「ううん、自分で決めました」
黒木「そうですか」
島津「私立に行くことになったらお金がかかる、ママと2人で生活してくならそんなのは贅沢だし...」
黒木「自分の意思でそう決めたんですね？」
島津「うん...先生、最後にちょっと見てほしいものがあるんです。受験やめるって言っときながら何ですけど...
開成の問題、めっちゃ考えてたら急にひらめいたんだ」
そう言って彼は数学の問題を貼り付けたノートを見せた
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年12月7日 10時
