二月の勝者-絶対合格の教室-【4】 (ページ39)

今日:6 hit、昨日:31 hit、合計:96,351 hit

. ページ39

.

side 佐倉

山本さんの面談を終えて、講師室で資料を読んでいる黒木先生に声を掛けた

佐倉「あの...もう大丈夫なんですか？」

黒木「あなたもなかなかの勝負師ですね、山本さんにヤマを張れだなんて」

佐倉「聞かれてたんですか？」

だったら尚更、助けてくれてもいいんじゃない...？

佐倉「私なりに山本さんにお伝えしたい最良の方針をお話させていただきました」

黒木「...まぁ、私も同じアドバイスをしたと思います

今後の山本佳苗さんの学習経過をしっかり見守ってあげてください」

佐倉「はい」

森「上杉さんいらっしゃいました」

黒木「わかりました」

黒木先生が少し認めてくれた気がして嬉しかった

side 黒木

保護者面談、最後は上杉海斗さんの母親

提出された志望校アンケートは、第一志望城山学園第二志望成明第三志望明知学院第四志望独立だった

黒木「これはお母様のご希望ということでお間違いないでしょうか」

上杉母「と、おっしゃいますと？」

黒木「海斗さんの偏差値は60に手が届くところまで来ています。ですがこちらに書かれてある偏差値はどれも50台半ば、既に合格判定は80％となっています」

上杉母「そのことでしたら、うちは子供たちの向き不向きで無理させない方針なんです。海斗はスポーツは得意なので、勉強で無理させたくないと思ってます」

黒木「そうでしたか。それで海斗さん本人の希望と合致してないんですね」

上杉母「本人の希望？」

黒木「はい、ご本人にもこの面談用に志望校を書いていただいてまして。...これです」

上杉「これは...本当に海斗が書いたんでしょうか？」

黒木「はい」

上杉さんが提出した志望校を見て母親は驚いた様子だった