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森「あっ、先生！お疲れ様です、今お母様を相談室にご案内したところです」
黒木「ご様子は？」
森「取りあえず落ち着いてらっしゃいます」
佐倉「島津くんは？」
森「Ωの教室に」
黒木「教室？」
森「勉強がしたい、と言うので」
Ωの教室を覗くと、彼は問題集を開きシャーペンを走らせていた
廊下の奥、相談室に足を進めドアをノックして中に入った
島津母「先生...すいません、ご心配お掛けしまして...」
黒木「いえ」
島津母「家まで来てくださったそうで、申し訳ありませんでした...」
黒木「お父様とも、少しですがお話できました」
島津母「うちは...もう無理です、受験もやめようと思います」
こちらも憔悴しきった様子でそう言った
島津母「目が覚めました...夫とは...夫とは離婚を考えようと思います...
すいません、面談もすっぽかしてしまって...」
黒木「いえ」
島津母「すいません...今日は色んなことがありすぎて...」
何かの糸が切れたかのように涙を流し始めた母親
黒木「お母様」
島津母「今日は...失礼します」
黒木「少しお休みになっていただいて、改めてお話させていただけますか？」
島津母「はい...」
side 佐倉
黒木先生が島津くんのお母様と面談している頃、Ωの教室に足を運ぶと確かに彼は勉強していた
島津「佐倉先生...」
佐倉「島津くん、大丈夫だった？」
島津「はい...」
佐倉「よかった。...あっ、今何か飲み物持ってくるね」
島津「ありがとうございます」
飲み物を持って教室に戻ると、面談が終わったのか黒木先生とお母様が出てくるところだった
黒木「今後のことはお2人が落ち着かれてよく話し合ってからがいいと思います」
島津母「はい...」
黒木「では」
エレベーターまで見送り、頭を下げると思わずため息が出た
そんな私とは対照的に足早に講師室に戻った黒木先生
彼は入り口で足を止め、私に言った
黒木「失礼しました。家庭への介入はこれ以上できないと、あなたにそう言ったばかりでした」
佐倉「いえ...誰だってあの状況で島津さんたちを放っておくことなんかできません」
黒木「いえ...全て私の未熟さゆえの行動です。明日も親御さんたちとの面談があります、引き続きよろしくお願いします」
佐倉「はい」
黒木「島津さんとの面談は様子を見て私が段取ります」
佐倉「はい」
すごい...もういつもの黒木先生だ...
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年12月7日 10時
