#6/夏合宿少女に何が起きた! ページ23
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side 紗良
夏真っ盛りの8月2日
世間は夏休みで海水浴なんかを楽しんでいるけど、ここ桜花ゼミナールは次元が違うように静寂の時間が流れていた
突然桜花に現れた私に佐倉さんは驚きを隠せないようで、自習室から休憩に出てきた女子生徒たちは私の制服を見て騒いでいた
黒木「わざわざ申し訳ない」
紗良「全然平気です。今日学校行く用事あったんでその帰りだし」
黒木「...あの子が柴田まるみさんです」
黒木先生に言われて目を移すとちょうど塾にやってきた女の子が折り畳み傘を畳んでいた
そんな彼女にそっと近づこうとすると黒木先生は心配そうに言った
黒木「紗良」
紗良「大丈夫」
お姉ちゃんも黒木先生もホント心配性なんだから...
紗良「柴田まるみさん?」
柴田「は...はい...」
黒木先生は私たちに空き部屋を用意してくれた
紗良「すごーい、綺麗な教室...」
柴田「そうですか...?」
紗良「うん。私が通ってた塾...って言っても私のお姉ちゃんと黒木先生が無料でやってるところなんだけど、そこはこの半分ぐらいの広さで床に座布団敷いてテーブルで勉強してたから
それがまた面白かったんだけどね...時々足が痺れるから痺れる前にこの問題解くぞ!って頑張ってみたりとか。そしたら解き終わったと思ったらひっくり返ったりしてね?
黒木先生とはその塾に通う前からちょっとした知り合いだったんだけど、中学受験もそこと家でお姉ちゃんに教えてもらってたの。懐かしいなぁ...」
柴田「...二葉女子学院ですよね、その制服」
紗良「あ、そう!今日は制服だけど別に着なくてもいいんだ。私服でもいいし、自由なの
私のお姉ちゃんも二女に通ってたんだけどね、「可愛い制服だったら毎日着たい!」って入ったのに制服着てたのなんて最初の一週間だけ。
あとは毎日私服だったし、ハロウィンとかクリスマスが近づくと毎日コスプレ状態!これがまた可愛かったんだけどね?
...話ズレちゃったね
制服だけじゃなくて基本的に自由、って雰囲気。みんな一人一人が違う人間なわけだしそれが当然って感じ
だからみんな人のことに口出ししたりしないし、っていうか人と違う方が面白いし、かっこいいじゃん?」
まるみちゃんの顔がちょっとだけ興味を持ってくれた表情に変わった気がした
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年11月28日 21時