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side 佐倉




夏期講習3日目


いつものように自転車で出勤しているとルトワックの前に上杉兄弟が見えた




上杉弟「じゃあな」


上杉「じゃあね」




弟の陸斗くんとルトワックで別れると上杉くんは信号を渡って桜花にやって来た




佐倉「上杉くん!おはよう」


上杉「おはようございます」


佐倉「朝一番で自習に来るなんて偉いじゃん」


上杉「偉くないでしょ、別に。毎日朝イチから来てるわけじゃないし」


佐倉「そう?あ、上杉くんの弟くん初めて見ちゃった」


上杉「あぁ、あっちは期待されてる方」


佐倉「えっ?」


上杉「僕は期待されてるわけじゃないから」




そう言うと上杉くんは桜花へと入っていった


まだ小学生なのに期待されてるとかされてないとか...やっぱ中学受験ってシビアだなぁ









桜花につくと早速算数の質問にやってきた浅井さん


質問に答え終わって塾生管理ファイルで上杉くんのことを調べていた




桂「なぁに?うちの子?」


佐倉「あっ、いや...あ、はい」


桂「この子なかなか色んなこと打ち明けてくれないのよね...でも黙々と勉強してる感じはあるし、成績も上がってはいるし

今回のことがなければ心配するようなことなかったんだけど...」




桂先生は席について荷物の整理を始めた


桂先生のバッグから出てきた近くのコンビニのスイーツ...




佐倉「美味しそう...」




ちょっと触ろうとしただけなのに拒まれた


私も甘いものが食べたくなってコンビニで桂先生と同じものを買って外に出ると出勤してくる灰谷先生の姿が見えて声を掛け、公園に場所を変えて上杉くんと黒木先生のことを尋ねた




灰谷「そうですね...確かにルトワックにいた上杉海斗くんを辞めさせたのは黒木先生です。切り捨てたとかクビにしたって言い方もできるし、まぁ僕もそう思ってたんですけど

実際のところは黒木先生なりに考えや見通しがあってのことだったんでしょうね...海斗くんも桜花で6年になって成績上がってるってことですし」


佐倉「よくご存じですね...」


灰谷「親は同じですからね、うちにいる弟の陸斗と。親御さんを通じて海斗くんの話もたまに耳にします」


佐倉「そうなんですね」

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作者名:愛音 | 作成日時:2021年11月28日 21時

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