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side 佐倉
中学入試まで161日となった8月24日
合宿明けで今日の塾は休講だったけれど桜花に足を運ぶと講師室には電気がついていた
あれ、誰かいるのかな...?
気になって講師室を覗きながら歩いていると誰かにぶつかりそうになった
佐倉「うわぁ!...おはようございます」
黒木「どうされました?今日お休みにしたはずですが」
佐倉「あ、いや。クラス替えもありましたし、少し準備をしたいこともありまして」
黒木「それはちょうどよかった。柴田まるみさんですが...」
佐倉「はい」
黒木「あなたも夏合宿で見てお気づきかと思いますが...」
佐倉「柴田さん、お友達もできて今までにない雰囲気でした」
黒木「私はあの2人の掛け合わせによる大きな化学反応に期待してます」
佐倉「化学反応...」
また嫌な言い方を...
黒木「タイプの違う2人の混ぜ合わせ、です」
佐倉「そんな...あの、」
黒木「はい」
私の「あの」に被せるように黒木先生は返事をした
佐倉「いや...もちろん黒木先生のことですから柴田さんの実力や性格を見越してのことなんでしょうけど、私には少し苦しそうに見えて...」
黒木先生が頷いた時、講師室の電話が鳴った
佐倉「はい、桜花ゼミナール吉祥寺校です。...はい、あっ少しお待ちください
柴田まるみさんのお母様からでこれからお会いできないかと...」
黒木先生は何も言わずにただ頷き、柴田さんのお母様との面談が始まった
柴田母「まるみをΩクラスからAに戻していただけないでしょうか?
昨日夏合宿から帰ってきましてすぐに授業について行けないと泣き出しまして...」
黒木「そうですか」
柴田母「あの子の方から私にそんなこと言ってくるのは初めてだったんです。
このところ家でも熱心に勉強するようになってて...合宿先からΩクラスに上がったって連絡があった時は嬉しそうな声だったんですけど...
それにあの子、二葉女子学院を受けたいって言い出しまして」
黒木「はい」
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年11月28日 21時