side 上杉 ページ16
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side 上杉
夏期講習4日目
塾に向かう途中、塾近くの神社で暗い顔をして境内に座り込んでいる島津を見かけた
塾にも行かないで何してるんだろう...？
まぁ、僕には関係ないことか
あまり気にせず僕は塾に足を運んだ
side 佐倉
夕方、島津くんのお母様が塾に顔を出した
島津母「いつもお世話になっております、島津の母です。すいません、順にお弁当を届けに来たんですが
森「あれ？島津くん今日はまだ一度も塾の方へは入ってないと思いますが...」
島津母「えっ？あの、朝9時前には家を出たんですが...」
森「えっ？...自習室の利用もないようですし、あっ桂先生！」
桂「はい？...あっお母様、今日島津くんどうされたんですか？」
島津母「ちょっと...ちょっとすいません、あの携帯にかけてみます」
慌てて講師室から出てスマホを耳に当てるも、その表情からして連絡が取れないことは一目瞭然だった
side 黒木
外から戻ると何やら騒がしい講師室
島津さんのお母様の思いつめた顔を見て彼が失踪したことはすぐに分かった
黒木「家で何か変わった様子は？」
島津母「パパが...主人が買ってきた問題集をやらせたんです、そしたら全然できなくて
でも主人はそんなはずはないって、先生どうしましょう...
今までこんなこと一度もなかったのに、あの子に万が一のことがあったら私は！」
黒木「お母様、落ち着いてください」
島津母「きっと私のせいで...きっと私のせいで、あの...先生、どうしたらいいんでしょうか...私は主人に何て言ったらいいんでしょうか...」
黒木「安心してください、私たちが見つけますので」
島津母「どうか...どうかよろしくお願いします！」
彼女が深々と頭を下げた時、離れた所でこのやり取りを見ていた上杉さんがどこかに飛び出して行った
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年11月28日 21時
