残留 ページ14
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「それにしても一人だけやけにずっと静かだな」
「そう言えば深澤は?」
「えっ?あれ?繋がってるよね?...って、え!?A繋げてなかったの!?」
『あ、自分のスマホより新さんの方が近かったんでこっちで出ました。新さん、皆さん呼んでますよ?』
「しっかしカップルが残るとはねぇ...」
「どうせ不貞腐れてるんでしょ?Aちゃんは様子見とはいえ、一人だけ残留だったから」
「不貞腐れてはないでしょ、彼女と一緒なんだからウハウハなんじゃない?」
「おい桜庭!残留って言うな、残留って!」
「本郷先生にまだ他の病院には出せないって思われたんだろうね?」
「可哀想に」
「同情すんなよ」
「それより心美ちゃん元気?退院したんでしょ?」
「そうそうそうそう、そうなんだよ」
「おめでとう」
「ありがとう」
「今頃彼氏と楽しい時間過ごしてるかもな」
暁人さんの意地悪そうな言い方に深澤さんは取り乱した
「えっ!?」
退院した心美ちゃんは医者を目指してるんだって!
お姉さん泣きそうだよ...
「ないないない、絶対ない!門限は6時に設定してるから」
それドヤ顔で言うことじゃないと思うけど...
「はぁ?厳しすぎでしょ」
「昭和の親父かよ」
「A、悠馬くんと心美ちゃんは?順調?」
『みたいです、今日もデートだって言ってましたし』
「はぁ!?ちょっ...A、嘘だよな?嘘って言ってくれよ!」
『うるさいですよ、新さん...』
何てやり取りをしていると暁人さんが言った
「おい、そろそろ時間だろ」
「じゃあ行かなきゃ。...またね」
「またね」
「また」
「じゃあな」
「また」
『今日も頑張りましょー!』
一つ気合いを入れて私たちはそれぞれの現場に向かった。
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年10月14日 21時