やりたい仕事 ページ42
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続けて桜庭が言った
「俺さ、本郷先生にあの話された時正直怖かった。みんながいない場所で、俺一人でホントにやってけるのかなって...
でも土居さんを処置した時にAちゃんに借りたノートとか、高岡にかりたDVDとか、深澤と読んだ論文とか
朝倉や成瀬のサポートについた時のこととか色々思い出して...全然怖くなかった
別に俺はどこにいたって一人じゃない、って思って」
「桜庭...」
side 深澤
「深澤は？どうなんだよ」
高岡と桜庭の話を受けて成瀬が俺に聞いた
「俺は、正直ごみ処理なんて誰もがやりたがらない仕事だと思ってた。
でもそこで会った人たちは自分の仕事にちゃんと夢や誇りを持ってて、それを実現しようと一緒に働く仲間がいて...
俺も最初ここに来た頃は...」
日中の内科医からナイト・ドクターに任命されれば
「ナイト・ドクターとかカッコつけて言ってるけどさ、要はただの夜間勤務だからな？」
そう文句を言って、上手くいかなければ
「正直もっと楽な仕事、他にいくらでもあるじゃないですか...わざわざ夜にあんな辛くて責任重い仕事、やる意味がわかりません」
そうやって弱音を吐いてたっけなぁ...
「正直、ナイト・ドクターなんて絶対に誰もがやりたがらない仕事だと思ってた。
でも今は、俺がやりたくてこの仕事を続けてる」
『深澤さん...』
「俺も本郷先生に言われて一つ引っ掛かってたことがある」
「えっ？」
「俺たちが各地に散らばって働いたところで、本当にナイト・ドクターをやりたいと思う人材が増えるのかどうか...
でも深澤みたいにやる気なし、度胸なし、技術なしの三拍子そろった人間だってこうなったんだ」
おいおい...ホント隠しもせずズバズバ言うよなぁ、成瀬は
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年10月2日 19時
