切断 ページ33
.
岡本の言葉に鳥山さんの言葉を思い出した
「先生...俺死にたくねぇよ...」
切断するか、死ぬか
迷いはなかった。
「右足を...切断します...」
「切断！？切断...」
「ボーンソーの準備お願いします」
処置の準備をしながら成瀬先生の指示に耳を傾けた
「それでいい、まずは軟部組織を処理しろ」
「はい」
通話を繋げたまま近くの手すりに引っ掛け、鳥山さんの作業着にハサミを走らせ患部を露わにし、消毒液をかけた
「メスください」
「はい」
成瀬先生の指示に従って冷静に処置を始めた
side 朝倉
永見さんに聴診器を当てながら再度、彼の容体を確認した。
「皮下気腫と左呼吸音の減弱か...猪俣さん、ここで静脈の確保します」
「はい」
それでも救出も処置も出来ないまま永見さんの容体は悪くなっていく
「どうですか？」
「おそらく緊張性気胸、多発肋骨骨折でフレイリングもありそうです」
「かなり重症ですね...」
「すぐにでも胸腔ドレナージをしたいですが、スペースが...」
追い打ちを掛けるように猪俣さんが言った
「先生、サチュレーションが下がってきています」
「触れも弱くなってる...救出まであとどのくらいかかりそうですか？」
「あと20分はかかります」
「20分...それだと患者さんが持たない...」
何か処置出来る方法は...
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年10月2日 19時
