医者二人 ページ29
.
side 高岡
救急隊の情報から患者の身元が栗山珠美さんだとわかり、声を掛けながら意識確認を行った
「栗山さん、わかりますか？栗山さん！」
「今何時ですか...？」
「えっ？」
「朝までにメンテナンスを終えないと、皆さんにご迷惑が...」
そう言って無理矢理体を起こした彼女を押さえつけてもう一度横にして声を掛けた
「まずはしっかり治療しましょう、ねっ？ルート確保お願いします」
「はい」
「触りますね？...右胸郭に轢音と皮下気腫、他に痛いところないですか？」
胸部と骨盤を確認しながら声を掛けるも返事はなかった
「栗山さん？栗山さん！」
すぐに聴診器をつけて呼吸音を確認した
「右の呼吸音が弱い...肺裂傷...？」
「えっ！？」
「病院に運んでる時間はありません、ここで胸腔ドレーンを挿入して挿管します」
「はい」
看護師に指示を出して処置を始めた。
side A
美月さん、深澤さん、幸保が出動中の初療室
桜庭くんはどこ行ったんだろ？なんて思っていると急患が運ばれてきた
「ストレッチャー入ります！」
「こちらお願いします」
「井口樹さん、38歳。水道管の工事作業中に突然吐血し、救急要請されました。
ショック状態でC型肝硬変の既往があります」
「わかりました、緊急内視鏡の準備頼む」
「ロックOKです」
「移します、1、2、3！」
『ライン取ります』
みんな出払ってるしあんまり急患運ばれてこないといいな...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛音
| 作成日時：2021年10月2日 19時
