Night Doctor ナイト・ドクター【6】 (ページ25)

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ー第十一話ーページ25

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side 朝倉

「あさひ海浜病院のナイト・ドクターチームは今月をもって解散することに決まった」

『解散...？』

「いきなりどうして...」

Aと深澤の問いに対して本郷先生は続けた

「理事会でそう決まった。これは決定事項だ」

しばらく沈黙が続き、小さな声で言ったのは桜庭だった

「みんなごめん、母さんが...」

「お前が謝ることじゃないだろ」

「本郷先生はそれでいいんですか？」

「そうですよ！この前は俺たちに成功例になれ、って...」

「俺は、この解散を心から喜んでる」

私たちは本郷先生の言葉が理解できなかった。

「えっ...どういうことですか？」

突然告げられた‶解散＂という現実

私たちは心の整理もつかないままに

その日もただ現場に向かった。

その夜はまるで

これからの私たちの行く末を暗示するかのように

長くて孤独な暗闇に包まれていた。

side 成瀬

本郷先生から解散を告げられた直後、ドクターカーの出動が3件重なり

朝倉はみなと臨海鉄道車両センター、深澤はゴミ処理センターの八坂工場、高岡は凪浜ビルディングに出動していた。

「ICU移動します」

「はい」

看護師の声が聞こえて聴診器を手に初療室に戻ろうとした時、作業をしていた本郷先生が言った

「今夜はやけに事故が多いな」

「どうして3人を現場に行かせたんですか？」

「今夜はここの指揮をお前に任せたい。6人で過ごせるのも残り僅かだ、頼んだぞ」

本郷先生は俺の肩に手を置くとスタッフステーションを後にした。