Night Doctor ナイト・ドクター【6】 (ページ20)

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ロビーページ20

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side 朝倉

患者の処置を終えて看護師に指示を出した

「至急お願いします」

「わかりました」

「こちらの透析患者さん、2階の廊下にお願いします」

「先生、あそこはもういっぱいいっぱいです」

「えっ...」

廊下もいっぱいって...

「朝倉先生、ICUもHCUももうスペースが...」

追い打ちをかけるように益田さんがそう言った

じゃあこの患者さんは...

どうすることも出来ないでいると本郷先生が言った

「新たに受け入れ場所を確保したい、手を貸してくれ」

Aたちと一緒にストレッチャーを押して本郷先生について行くとそこは病院のロビーだった

「いいんじゃない？」

「とりあえずベッドはこれで」

「ケーブルとブランケット持ってきた」

「よし、急ぐぞ」

ロビーを病床にすればまだまだ患者さんを運び込める

スタッフ総出で器材を運び、受け入れの準備を始めた

「まさかロビーまで使うとはね」

『新たに計15名受け入れるって』

「えっ、これからまた15人？」

「すごい執念だな。受け入れるのはいいが電力には限りがある、ホントにこの人数カバーできるか？」

先輩がそう言った時、聞き覚えのある声が聞こえた。

「この辺で分けましょう」

『星崎さん...？』

星崎さんの声に気づいたAが彼に声を掛けた

「本郷先生に頼まれた患者さん、無事搬送終わりました」

「あの、これは...？」

「表に電源車を用意しました、本郷先生に頼まれて」

「電源車？」

「これでだいぶ持つようになるな」

『ありがとうございます』

Aが星崎さんに頭を下げると彼は言った

「いえ...自分にできるのはこれぐらいなので」

それだけを言い残して立ち去ろうとした彼にAは声を掛けた

『あの、昨夜の患者さんですが...一人で責任を背負いこまないでください

やり切れない気持ちでいるのは私も同じです』

「岡本先生....」