Night Doctor ナイト・ドクター【6】 (ページ14)

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痩せた？ページ14

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side 深澤

またクタクタの状態でスタッフステーションに戻った

「節電、今度こそ完了しました...」

「ご苦労さん」

「消せって...」

何のことかと思えば持ち歩いていた懐中電灯が成瀬先生の顔を照らしていた

「あ...」

「人工呼吸器の患者さんの処置、無事終わりました」

「病棟も全て周り、患者の安否確認取れました。各フロアの看護師にも巡回を徹底するよう指示出しております」

「さすがベテラン看護師、違うね」

「おかげで3キロ痩せました」

えっ、3キロも！？

思わず益田さんをじっくり見つめてしまった

「嘘です、足が吊りました」

「もうすでにICUもHCUも満床ですね」

成瀬が本郷先生に電子カルテを渡した時、スタッフステーションの電話が鳴った

「えっ、こんな時間に電話？」

「はい、あさひ海浜病院救命救急センターです」

電話対応したのは高岡だった

「...えっ？」

「どうした？」

「少々お待ちください...

森本病院からの受け入れ要請、院内が停電になって医療機器が使えずに困ってる患者さんがいるみたいでうちで受け入れてほしいって」

「人数は？」

「あ...人数は？...人工心肺の患者が1名、人工呼吸器の患者が3名、呼吸器プラスCRRTの患者が1名、計5名の受け入れを...」

「5名...」

「無理ですって、人手が足りません！」

「ベッドはもう満床です！」

そう訴えたのは益田さんと新村さんだった

「どうするかはお前たちで決めろ。

今抱えている患者の状況、稼働可能な機器の数、自分たちの能力、全てを考慮した上で判断しろ」

全員が黙り込んだスタッフステーション

またしても声を上げたのは益田さんだった

「お願いします、断ってください」

「...私は受け入れたいです」

益田さんの言葉を押し切って朝倉はいつも通り言った。

返事を出来ないでいるとふとこないだの岡本を思いだした。

受け入れを断った時の彼女の顔、受け入れた患者を助けられなかった時の彼女の顔...

もしこの場に彼女がいたら、彼女は何て返事をする...？

「自分も受け入れたいです...」

「深澤...」

「どんな患者も受け入れるのがこの病院の...僕たちの理念だと思うので」

俺は高岡たちにそう訴えた。