Night Doctor ナイト・ドクター【3】 (ページ9)

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遅刻ページ9

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「ありがとう...あー、私も終わったなぁ。岡本に慰められる日が来るなんて」

『ちょっと、どういうこと？』

そう言って彼女は笑っていた。

「で、あんたの方はどうなの？」

『何が？』

「成瀬に深澤、桜庭...誰を選ぶの？」

『...何の話？』

「何であんたみたいな可愛げない子がモテるのかねぇ...」

『え？暁人さんと深澤さんと桜庭くんが何？』

「朝倉から聞いたんだけど、深澤の妹とあんたの弟が付き合ってるんだって？」

『そう！世間って狭いよね...』

「深澤どうだった？妹ちゃんと仲直り出来たって？」

『あー、それを今から...って、時間！』

急に大きな声を上げるもんだからビックリして彼女の腕時計を見ると、もうすぐ引継ぎの時間だった

「ヤバ！」

私たちは走って病院に向かった。

side 朝倉

勤務が始まってもAと高岡の姿がなかった

桜庭が戻ってきたとはいえ、いきなり重症患者が運ばれてきて手が足りない

それによりによって優秀な二人の手がないとは...

「桜庭、早くこっち入って手伝って！」

「いや待ってよ、今CV取ってて...」

「深澤は？」

「俺も無理だよ！岡本と高岡どこ行ったんだよ...」

そんなのこっちが聞きたい...！

「先輩！」

「今穿頭してる、もう少し待て」

そう言われても心電計のアラームが鳴り響いた

「血圧低下してます」

「総頚動脈の損傷かな...ここで創を開いて止血します、本郷先生は？」

「今オペ室で大腸穿孔の緊急手術してます」

「もういい、一人でやる」

「無茶するな、すぐ行く」

「でも...」

一人で処置を始めようとするもサテンスキーを落としてしまった

「出血増してます！」

出血部分を手で押さえるも私の手だけでは間に合わない...

もうこの患者さんは助からないの...？そう思った時、誰かの手が私の手に重なった

「創の展開は私がやる、朝倉はさっさと止血して」

『桜庭くん、CV代わるよ』

「Aちゃん...！」

「二人とも、来るのが遅い...深澤、血管縫合セット持って来て！」

「了解」

「輸血、RBCとFFP未交差で10単位ずつ」

「わかった」

「出血源探すよ」

「わかった。展開します」

何とか患者の命を落とさずに処置を終えることが出来た。