Night Doctor ナイト・ドクター【3】 (ページ4)

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珍しい... ページ4

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side 成瀬

夜の勤務前、院長に呼ばれて院長室に足を運んだ

「昼間に明侑医科大学から連絡があったよ。話し合いは上手くいかなかったそうだ...」

「そうですか...」

「大丈夫かい？」

「こちらの病院にご迷惑はかけませんので...失礼します」

院長の言葉に絶望しながらも、冷静にそう返すしかなかった。

side A

勤務中、ボーッと一点を見つめる成瀬さんが気になって彼に声を掛けた。

『成瀬さん、どうかしたんですか？』

「え？」

『何か妙にボーッとしてるなぁと思って...』

珍しい、何かあったのかな...？

「先輩、夜食お腹いっぱい食べ過ぎたんじゃないですか？」

美月さんがいつもの感じでそう言った。

「お前じゃあるまいし...岡本、さっさとカルテの整理しとけよ」

『はーい』

成瀬さんすぐ一人で抱え込むから心配だな...

「病棟行ってきます」

高岡さんはそう私たちに報告して医局を後にした。

高岡さんも心配だな...

side 高岡

回診で訪れた病棟、506号室の前まで足を運ぶと隣の505号室からすすり泣く声が聞こえた。

誰の声...？

不思議に思って静かにドアを開くと花園さんが眠りながら涙を流していた。

それはいつもの強気な彼女とは違って見たこともない弱々しい彼女の姿で、私は声を掛けることも出来ず病室を後にした。

何も出来ないままスタッフステーションに戻る途中、廊下で本郷先生とすれ違った。

「どうした」

「いえ...」

「花園詩織さんのことか？...昨日も泣いてたらしいぞ」

「どうして...」

「さぁな...ただ、お前の彼氏以外彼女の見舞いには誰一人来ていないらしい。

ホントに頼れる人間は誰もいないのかもな」

本郷先生の言葉を聞いてふと私は気付き、すぐにスタッフステーションに戻って色々調べた。