Night Doctor ナイト・ドクター【3】 (ページ27)

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犯罪者になる覚悟ページ27

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side A

「日向くんが助かるなら犯罪者にだってなります」

越川さんのその言葉に皆が暗い顔をしていた。

静まり返るスタッフステーションで美月さんが口を開いた。

「成瀬先輩...脳出血のオペは専門外の私には出来ません、でも先輩ならできますよね？」

「何言ってんだよ、朝倉...」

「お願いします」

それでも美月さんは成瀬さんに頭を下げて言った

「私も全力でサポートします」

『私も...出来ることは何でもします』

「私も」

私に続いて幸保もそう言った。

「無理だろ、同意書が無いんだぞ？」

深澤さんの言葉に成瀬さんは溜息をついて言った

「断る」

『成瀬さん...また訴えられるのが怖いですか？』

「勘違いすんな。サポートは断る、と言う意味だ」

「成瀬先生...？」

「日向くんのオペは俺一人でやる」

成瀬さんはそう口にしてスタッフステーションを立ち去ろうとした。

「そんな無茶ですよ、何かあったら...」

「いいのか？成瀬」

成瀬さんにそう言ったのは黙って私たちのやり取りを聞いていた本郷さんだった。

「越川さんの話がホントなら日向くんの実の両親は虐待するような親だぞ？

金目当てでお前を訴える可能性は十分にある」

「...犯罪者になる覚悟で頼んでる人がいるんです、その思いに応えないわけにはいきません

それに別に、成功させれば問題ないですよね？」

成瀬さんはいつもそうだ

冷静な判断で私たちを導いてくれる...

「わかった、麻酔は俺がやる」

「本郷先生まで...何言ってるんですか！？」

「この時間の責任者は俺だ、責任は俺が取る。越川さんに手術の説明をしてくる」

「オペの準備します」

成瀬さんと本郷さんはスタッフステーションを後にした。

『行きましょう、美月さん。幸保も』

「勿論」

「行こう」

2人に続いて私たちもスタッフステーションを後にした。