Night Doctor ナイト・ドクター【3】 (ページ26)

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オスラー病ページ26

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言葉を失っているとICUから一ノ瀬さんが飛び出してきた

「先生！日向くんが！」

急いでICUに戻ると日向くんは痙攣を起こし、また酸素チューブには血液が流れだしてた

「ジアゼパム」

「はい」

ペンライトで瞳孔を確認するもすでに瞳孔不動が出始めていた。

「どうして出血傾向が？凝固系にも異常はなかったのに...」

ジアゼパムを静注し、痙攣は収まったものの原因はわからない...

布団を捲り、全身をチェックすると手足には発疹が出ていた。

「頭部CT急ぐぞ」

「「はい！」」

ストレッチャーに移し、すぐに検査を行うとようやく原因が分かった。

「やっぱりな...」

「脳出血...どうして...？」

「体のあちこちに出血斑もあった。

凝固傷害もなく血友病でも白血病でもHITでもないとなると...日向くん、オスラー病かもしれない」

「オスラー病...？」

すぐにその説明を越川さんに行った。

「全身の毛細血管に問題があり、そのせいで色んな箇所から出血症状が出る大変珍しい疾患です。

日向くんはそのせいで脳出血を起こしています。すぐにオペしないと命が危険です」

「すぐに助けてください！先生、お願いします！お願いします！」

「残念ですが...それは出来ません」

たまたま通りかかった本郷先生が越川さんにそう言った。

「本郷先生...でも早く治療しないと手遅れに！」

「相手は子供だ、親の同意なしにオペは出来ない」

それを聞いていた越川さんが本郷先生に言った

「あの子の母親は私です、私が同意しますからすぐに手術してください！サイン書きますから！」

「越川さん、あなたのしていることは犯罪ですよ？」

「...日向くんが助かるなら犯罪者にだってなります！」

彼女の意志は生半可なものではなかった。