本当は...？ ページ24
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side A
スタッフステーションで幸保が美月さんに尋ねた。
「日向くん、まだ何の疾患かわかんないの？」
「うん...」
『子供が胃から出血するなんて珍しいですよね...成瀬さんがわかんないんじゃなぁ...』
「ふーん...成瀬でもわかんないことってあるんだね」
美月さんも頭を悩ませていると、本郷さんがスタッフステーションに戻ってきた。
「朝倉。越川日向くん、年は幾つだ？」
「えっと...6歳って聞いてますけど」
「おかしいな...ここに書かれてある生年月日と年齢が合わない。母親はよっぽど焦って書いたのか？」
本郷さんが手にしていた問診票、日向くんの生年月日は平成26年6月6日生まれ
つまり、今7歳
母親が子供の年齢間違える...？
美月さんは問診票を手にスタッフステーションを後にした。
「お願いします」
私と幸保、本郷さんが残ったスタッフステーションで幸保は本郷さんに一通の封筒を渡し、同じくスタッフステーションを後にした。
私の使っているパソコンデスクには美月さんと深澤さん、桜庭くんが調べてくれたとある資料...
みんな仕事が早いなぁ...
私も急がなきゃ！
side 成瀬
日向くんの酸素チューブの交換を行っていると、朝倉が資料片手に駆け寄ってきた。
「先輩、これ...ここに書いてある生年月日と日向くんの年齢が合いません」
「何？」
「どういうことでしょうか...」
それを聞いてふと嫌な予感が過ぎり、すぐに越川さんにこのことを尋ねた。
「越川さん、ちょっとお話よろしいですか？
...越川さん、日向くんが生まれた日は晴れていましたか？」
「え...？」
「日向くんが生まれた時の体重は？」
「3000...」
「身長は？」
「...覚えていません」
この言葉を聞いて確信できた
「覚えていないんじゃなくて、知らないんじゃないですか？
日向くんは本当にあなたが産んだお子さんですか？」
「...何言ってるんですか？あの子は私の子供です、誰が何と言おうと私の子供です」
「越川さん...」
その時、ICUの扉が開き高岡と岡本、深澤が飛び出してきた。
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年8月12日 23時
