Night Doctor ナイト・ドクター【3】 (ページ21)

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間違ってないページ21

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side 成瀬

仕事終わりにいつものようにジムに通うも、脳裏を過ぎるのはあの事件のことだった。

どんなに腕を磨き鍛えようが、医療には限界がある

それでも患者望んでくる

100％完璧な医療を...

その望みがある限り、医者にとって一番の敵は時に...患者なのかもしれない

side 根岸

引継ぎ前の医局、俺は電子カルテ片手に夜勤の愚痴を溢す嘉島先生の肩をマッサージしていた。

「全く夜の連中は...重症患者ばっかり集めやがって」

「ですね」

その時、ノックする音が聞こえて事務員が入って来た。

「失礼します。すみません、成瀬先生にお会いしたいという方が...」

「成瀬に？」

事務員に続いて入って来たのは女性だった。

「失礼します...」

「あなたは？」

「秋山真紀と申します」

女性の話を聞いて俺たち日勤医師は耳を疑った。

side 成瀬

仕事に行く準備をして部屋を出ると、朝倉が自身の部屋のドアにもたれていた

「...何だよ」

「話があります」

そう言って彼女は寮の屋上に足を運んだ

「院長に聞きました、訴訟のこと」

「...人のプライベートにそこまで首突っ込んで楽しいか？」

「私は先輩が間違ったことをしたとは思えません。

訴訟のことだって向こうが変な言いがかりつけてきてるだけじゃないですか、だから、その...元気出してください」

「...俺が間違ったのかもしれないだろ」

「えっ...？」

「不思議だよな。いつだって試験の時は100点取るのが当たり前だったのにな...」

「いきなり何の自慢ですか？」

「今の仕事は答えのない問題ばっかりで嫌になるな」

元気づけてくれる彼女にそんな本音が漏れた。

「遅刻するぞ」

ベンチに置いたカバンを手に、先に屋上を後にした。