Night Doctor ナイト・ドクター【3】 (ページ3)

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カルテページ3

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side 高岡

アイスティーは手をつけられないまま、北斗からの返信はないまま店内の客はもう私だけだった。

ガラスに映る自分を見て、また花園さんの言葉を思い出した。

「あんたってさ、友達いないでしょ」

実際、こんな時に連絡出来る友達は一人もいなかった

朝倉に言われた言葉「北斗さんに合わせて職場決めたって...じゃあホントの自分は？北斗さんにそこまでして依存して、ホントの高岡はどこにいんの？」

そんなの...私が一番わかってない...

店員しかいなくなったレストランで私は独り静かに涙を流すことしか出来なかった。

side 朝倉

ようやく川嶋さんの容体が安定し、処置を終えることができた。

「ICUに移動準備お願いします」

「あのカルテがなかったら川嶋さん危なかったな...」

深澤の言葉にAが川嶋さんのカルテを手にした

『このカルテ、書いたの高岡さんです...』

「えっ？」

『川嶋さんは以前、偏頭痛で一度だけウォークインで受診してます』

「夜中のたった一回の診察で甲状腺機能亢進を疑ったんだ、よっぽど気を付けて診察してたんだろうな」

先輩はそう言い残して初療室を立ち去った。

Aがスクロールする川嶋さんのカルテ

そこには担当した高岡の診断結果がびっしりと書かれていた。

「こんなに細かく丁寧に書かれたカルテ、初めて見たよ...高岡のやつ、真面目なんだな」

なのに私、酷いことを...

side A

明け方の医局、高岡さんが戻ってきた。

「高岡...」

彼女は私たちを見ると何も言わず、本郷さんのところに足を運んだ。

「本郷先生、すいませんでした...」

「もう体調はいいのか？」

「はい...」

「ならさっさと着替えてこい」

「はい」

誰も何も言わず、今日の仕事も終わりを迎えた。