副業、か... ページ17
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side A
仕事の休憩時間、隣でカップラーメンを啜っている成瀬さんにふと尋ねた。
『成瀬さん、何かありました？何か今日妙にイライラしてますけど...』
「別にイライラなんてしてねぇよ」
...いや、その返しがまさにイライラしてるじゃん
何て思っていたらドアが開いて本郷さんが戻ってきた。
『お疲れ様です』
「あぁ。...美味そうだな」
本郷さんは成瀬さんのカップ麺を見ながらコーヒーを淹れた
「少しは下の人間を育てようとか、そういう気概はないもんかね？」
「...患者が望むのは最善の医療です、自分がやった方が確実ですから。失礼します」
成瀬さんはそう言ってスープを飲み干すと本郷さんに頭を下げて医局を後にした。
わかるよ？今の夜間救命に成瀬さんより腕のいい人はいない
でも私たちにも仕事を回してくれないと、いつまで経っても私たちは成瀬さんに追いつけないんだよ...
side 朝倉
先輩に対する怒りを抑えながらも、さっき運ばれてきた森本さんの意識が戻り処置をしながら少し世間話をしていた。
「え、昼間に会社員を？じゃあキャバ...よ、夜のお仕事は？」
「副業です。働き方改革のせいで会社の残業代減ったんで、生活のために仕方なく始めて...」
「そうだったんですか...」
綺麗な人だからてっきりキャバクラが本業かと思ってた...
働き方改革って良いことばっかじゃないよね...
「働き方改革されて余計働くことになるって...笑えませんよね」
処置を終えて私の頭にもその言葉が過ぎった
「そうか、副業...その手があったか」
すぐにスタッフステーションに戻ってネットで求人サイトを開いた。
医者は引く手あまただから色んな病院が求人を出していた。
今の職場になるべく近いところ...
「あった」
応募しようとした時、ホットラインが鳴りすぐに対応して処置に当たった
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年8月12日 23時
