【好きにしていい権利なんてない】 ページ19
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私たちは中にあった段ボールを身にまとい寒さを凌いだ。
三澄「寒い...」
久部「睫毛、凍ってますよ...」
久部くんがそう言った時、トラックのバック音と共に車体が動いたのが分かった。
「久部くん時間計って、ミコトはガラケーの電波見てて」
三澄「わかった、」
ふとミケちゃんのダイイングメッセージを思い出した。
「手紙を書いて飲み込む...
犯人に見つかったら捨てられる、だから体の中に入れてしまえばわからない
ミケちゃん凄いなぁ...この状況で書いたんだ...
凍えながら必死で花ちゃんを助けようとした、
見つけてくれることを願って...
彼女たちを好きにしていい権利は誰にもない、」
その時、トラックが停まった。
久部「10、8分です...」
三澄「電波届いた...」
「ラボに電話かけて...」
三澄「出て...出てお願い！！誰か...出て...
繋がった！！東海林！？
...切らないで！！切らないで切ったら一生恨む、呪う！！」
ミコトの口調からして相手は中堂さんだろう。
中堂さんがまだ居て良かった...
三澄「茂山市蝶塚から車で18分のところにいます、
すいません、Aも一緒です
久部くんと三人でトラックの冷凍コンテナに閉じ込められました。
...そうです、
あっ...ガラケーなんですすいません...
...事実です、」
ミコトが泣きそうになりながら中堂さんに助けを求めているとき、
急に車体が揺れ始め、トラックが暴走していることに気づいた。
そして一瞬浮いたような感覚に陥り、ぶつかる音とわずかに聞こえる水しぶきの音で
川か湖のような場所に落とされたことを察知した。
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年4月11日 20時
