【バイオリンとビオラの違い】 ページ7
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side 百合根
結局赤城兄妹は事情聴取について来てくれた。
...と言っても、いつも通り聞いているのか聞いていないのか部屋の中を物色していた
百合根「リハーサルの後、大野さんは事前に約束もせず柚木さんの特別室を訪ねましたよね?」
大野「ええ。柚木さんは特別室に入り浸りで練習をしてると聞いてましたから、行けば会えると思ったんです」
百合根「どんな用件で?」
大野「彼女のCDを出したいと思っていたので、その相談です。
まぁ...もう一度彼女の演奏を聴きたいっていうのもありましたけど...」
練習終わりの彼女に契約書を渡したものの冷たくあしらわれてしまったらしい。
大野「あまり頑なだったので、僕も大人げなかったんですが挨拶もろくにせずに部屋を出ました」
百合根「柚木さんはなぜCDデビューの話を断ったんですか?」
大野「それ本人に聞いてください」
赤城「聞かなくても分かる。理由はあんたがクラシックにまるで興味がないからだ」
大野さんのラックを見ていた赤城さんがそう言った
「本買っても読まないんじゃねぇ...」
Aさんの手には真新しい本が握られていた
赤城「あんたバイオリンとビオラの区別はつくのか?」
大野「え?」
赤城「あんたは柚木響子が有名なコンクールで賞を取ったからCDを出したかったにすぎない」
大野「おい、」
赤城「別に構わない。俺が知りたいのはその場に彼女の恩師である小松教授がいたのではないか、ということだ」
赤城さんは大野さんに詰め寄って尋ねた
赤城「小松がデビューに反対し、それに腹を立てたあんたは小松を殺害...」
大野「違う!私は殺してなんかいない!」
大野さんは焦りながら席を立ってそう言った
大野「私は柚木さんと2人で話をしただけです!
...大体、小松さん教え子のためを思うような人じゃないんですよ?
あんた方‶教授″っていう肩書に騙されてるんです!
...小松さん、柚木さんに体の関係迫ってたんですよ。嘘だと思うなら調べてみてください」
そう言われて僕たちは大野さんの事務所を後にした
百合根「大野さんの言ったことは本当でしょうか?」
「小松を殺した、って疑いをかけられた時は動揺してたけどだんだん落ち着きを取り戻してた。
デタラメではないと思うけどなぁ...あとは辛島と福島ね」
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年4月25日 12時