【限界】 ページ44
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新島「あいつはもう限界だった...何度止めても妻はいつかきっと、小林を殺す」
百合根「奥さんを止められなかったからといって、なぜ犯罪を知り尽くしたあなたが殺人計画なんて...」
新島「...警察や司法には限界がある
俺が...地獄の苦しみから救ってやるしかなかった...」
赤城「馬鹿を言うな。お前はただ自分の知識を使って人殺しをしただけだ
娘の敵を討ち、妻の復讐を果たす...そんなものは殺人犯の独り善がりでつまらない言い訳だ」
新島「...君に娘を殺された親の気持ちがわかるか!?
毎日が地獄で未来なんか欲しくもないのに...
見えないナイフで心臓を突き刺したまま生きて行かなきゃならない俺たちの気持ちがわかるか!
あいつは笑ったんだ...警察の廊下ですれ違った時、あいつは俺たちの顔を見て笑ったんだ...
快楽殺人だと?ふざけるな!快楽で娘を殺されてたまるか!」
教授は声を荒げ涙を流した
百合根「死ぬほど辛いと思います...地獄だと思います
でも復讐は復讐を生むだけです。被害者家族だったあなたは新たな被害者家族を作ったんだ
あなたはただの殺人犯だ...」
僕たちは新島教授を逮捕し、ラボに戻った。
筒井さんに逮捕されて取り調べを行った牧村さんによると春名さんは「自分のしたことに後悔はありません。私が後悔するのは...娘を助けてやれなかったこと、それだけです」
そう言ったそうだ。
筒井「新島春名、冬木佳子...共に自供したそうです」
百合根「...多分、罪を犯すきっかけって人が思っている以上に身近にあるんですよね」
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年4月25日 12時