【交換殺人】 ページ35
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side 百合根
振り出しに戻ってしまったけど現時点での捜査報告を行うために理事官室に足を運んだ。
池田「犯行時刻、夏休みのイベントで泊まり込み合宿に来ていた複数の学生が研究室にいる新島教授を窓越しに目撃していました」
百合根「青山さんや翠さんも新島さんは嘘をついていないと...」
松戸「捜査が振り出しに戻った、ってわけですか」
百合根「はい...」
返事をするのがキツイ...
池田「どうするつもりなんだ?」
百合根「それは...」
返事に困っていると先に松戸理事官が口を開いた。
松戸「理屈だけでものを見ていると見えなくなるものもある。理論のみに頼る者はその牢獄から出られない
STは事件のあらゆる可能性を捨てずに捜査してきたんじゃないんですか?
個人的な意見を言っておきます。人はそう簡単に殺人を犯すものではありません。
ほぼすべての殺人の背景には善し悪しを別にして切実な心理がある、私はそう思います」
百合根「...ありがとうございます」
理事官の言葉に改めて気づかされた瞬間だった。
side 赤城
ラボでもう一度捜査資料に目を通していた
赤城「爪の中の土、犯行手口の微妙な誤差、複数犯、母親たちの交換殺人...」
百合根「でも母親たちはプロファイリングよる犯人像に合わないし、そもそも、」
「そもそも冬木佳子と新島春名の間に接点がなければ交換殺人は成立しない、それは分かってるんだけど...」
赤城「もう一度母親たちの周辺を徹底的に洗い直そう。母親たちの接点を探すんだ
この交換殺人を可能にする必要条件だ」
そう言うと筒井は再び聞き込みに出かけた。
俺とAはあらゆる情報を集めプロファイリングを始めた。
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年4月25日 12時