【振り出し】 ページ34
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百合根「知ってたら何で言わなかったんですか!」
百合根くんは立ち上がりながら赤城さんにそう言った
「だって聞かれなかったし見りゃわかるじゃん。それに、」
百合根「まだあるんですか...」
「一気に首を絞めて殺されたなら首の策条痕の太さが場所によって変化しないんだよ」
筒井「じゃあやっぱり同一犯ではなく複数犯ということも...?」
Aさんは赤城さんを肘でつついた
赤城「...その可能性はある
そして同一犯だろうと複数犯だろうが、プロファイリングに合うのはあいつだ」
と、言うことでそのアイツを呼び出して取り調べを行った。
side A
私たちがまず疑いを掛けたのは新島泰弘。
新島「あの日は...学会で発表する論文の期限が迫ってたんで大学の研究室で論文を書いてました」
私たちはマジックミラー越しに取り調べの様子を見ていた
翠「声のピッチに変化は見られない。嘘は言ってない」
青山「嘘をつく時、人の体は相手に対して自ずと斜めになる。新島の体は正面を向いている
目の瞳孔を確認できればもっと正確にわかるけど...」
流石にこの距離は遠すぎる
牧村「それを証明できる人はいますか?」
新島「まぁ妻とは携帯で話しましたが、その他に話した人会った人はいません」
牧村「よく大学には泊まられるんですか?」
新島「ええ、まぁ忙しい時には」
百合根「行動が怪しいといえば怪しいんですよね...論文なら家の中でも書けそうだし」
翠「でも嘘は言ってない」
青山「秩序型の犯人の場合、警察の尋問すら想定してることも多い。堂々とした態度も演技かもしれない...」
結局収穫なしで事情聴取は終了
ラボに戻ったところで芋女から新たな情報が届いた。
百合根「新島泰弘さんにアリバイがあった?」
筒井「複数の目撃証言です。完璧なアリバイです」
あー...結局振り出しかぁ...
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年4月25日 12時