【単細胞】 ページ21
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side 百合根
午前8時過ぎ、北区の岩原ふれあい公園にて男性の遺体が発見された。
赤城「背後からの絞殺、凶器は細いロープ...いや、縄だ
首に残った策条痕にズレがない、犯人は被害者を一気に絞め上げた」
百合根「なるほど...」
筒井「一気に...余程の大男ですかね?」
赤城「そんなことも分からないのか、この単細胞。さっさと帰れ」
最近赤城さんは‶単細胞″というワードを使って罵ることが多くなった...
「首にスタンガンで感電させた痕が残ってる。犯人は被害者を感電させて動きを封じた後に首を絞めた
だとすると女性でも犯行は可能...」
牧村「百合根警部、遺体運び出しますよ」
百合根「ああ、すいません...お2人ともいいです...か、あれ?」
一瞬目を離した隙に赤城兄妹の姿はなくなっていた。
ブルーシートの外に出ると2人は野次馬を眺めていた
百合根「どうしました?」
「何もない...」
百合根「何がないんですか?」
赤城「死体も手口も綺麗すぎる。この犯人、気に入らない」
気に入らない、って...
警察に気に入られるように犯行する犯人なんて...いる?
side A
ラボに戻って早速捜査報告が始まった
菊川「被害者の指紋から身元が割れた。被害者は田所順、24歳。
殺害時刻は昨日午後11時から午前1時の間だ」
「指紋からって、前科者?」
菊川「7年前、当時17歳だった田所は酒に寄った挙句当時21歳だった大崎啓介にイチャモンを付け暴行を加えた。
殴って倒れた大崎啓介を田所はそのまま放置、大崎啓介は脳挫傷が原因で翌日死亡した。
少年犯罪として扱われたため田所は刑事裁判では裁かれなかった。
また親が学校の教師で家庭での更生が可能だとしておよそ1年で少年院を出た」
人殺して1年で出所かぁ...
百合根「怨恨という可能性は?」
筒井「死亡した大崎啓介の両親にはアリバイがありました。
啓介の父親、大崎茂は長期出張先のフィリピンにいることが確認されました。
また母親、冬木佳子は殺害時刻パート先の食品工場にいたことが確認されています。
ちなみに両親は啓介が死亡して一年後、離婚しています」
菊川「まぁ凶器は、」
赤城「凶器は直径一センチほどの細い縄、襟元に縄の繊維質が付いていた。
何の変哲もない縄だ、ホームセンターでも買える。
流通経路を辿るのは難しい」
おっさんはしばらくフリーズした
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作者名:愛音 | 作成日時:2021年4月25日 12時