【ホントに病院？】 ページ29
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side 筒井
赤城兄妹が政和大学病院に行くことを拒否したため、何故か私が百合根くんと向かうことになった。
百合根「まるで高級ホテルだな...」
ロビーにはシャンデリア、えんじ色で統一されたソファーにカーテン、壁は白くお城のようなデザインでとても病院だとは思えなかった。
ふと私は百合根くんの吊られた左腕が気になった
筒井「ねぇ、それ何？」
百合根「病院は捜査に非協力的なんですから、正面から乗り込んでも話は聞けませんよ」
筒井「怪我人のフリ？」
百合根「そんなとこです」
筒井「内科、だけどね？」
骨折なら整形外科、じゃない？
百合根「...まぁ、そうなんですけどね。うん」
気付いたのか、百合根くんは三角巾を外した。
平戸「えぇ、熱っぽいということですが...」
百合根「すいません、こういう者です」
私たちが警察手帳を見せると奥の看護師が慌ただしくどこかへ行こうとした
筒井「あ、どうぞそのままで」
止めたけど一人は行ってしまった
百合根「平戸先生の下で働いている小山あずささんのことで、話を伺いたいのですが...」
平戸「報道機関に届けられたというディスクの件ですね...上から聞いてます」
百合根「こちらにも届けられているはずです」
筒井「どのように聞かれてるんですか？」
平戸「あー...ディスクの内容、つまり誘拐 監 禁 が真実かどうか定かではないが念のため警察が捜査していると」
百合根「犯人の要求はお聞きになっていますか？」
平戸「...武藤嘉和さんの死の真相を明らかにせよ」
何だ、知ってるんじゃん...
百合根「武藤嘉和さんの担当医は平戸先生でしたね？」
平戸「ええ、そうです。しかし、明らかにしろと言われても裁判で述べたことが全てです
あれ以上のことをどうしろというんですか」
筒井「犯人が小山あずささんを誘拐した理由に心当たりは？」
平戸「彼女は私の下で働いていたから、巻き込まれてしまったんだと思います」
彼がそう言った時、看護師が戻ってきた
看護師「大越先生、こちらです！」
平戸「あ、教授...」
大越「警察との話は済んでるはずですが」
百合根「失礼ですが」
大越「総合内科主任教授の大越です」
百合根くんも自己紹介をしようとしたけれど、教授は「あなた方に話すことはない」と私たちを診察室から追い出した。
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年4月17日 10時
