【脅迫メッセージ】 ページ25
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side 百合根
男「武藤嘉和の死に関わった者はその真相を明らかにせよ。
8月9日午前9時までに、つまり48時間以内に名乗り出る者が無ければこの女を断罪に処す」
昼過ぎ菊川さんがある脅迫メッセージを送って来た。
菊川「このディスクがテレビ局や新聞社に一斉に送り付けられたのが3時間前の午前9時。
報道を控えさせて捜査を開始したんだが...」
百合根「武藤嘉和についてもこの女性についてもまだ何もわかってない、ってことですね？」
赤城「女はその服装から医療従事者であることは一目瞭然だ」
隣の研究室からやっと赤城兄妹が出てきた
菊川「そんなことはわかってんだよ！医療従事者ったって医師、看護師、薬剤師...他にもいるだろう」
そう言われた赤城さんはAさんに顎で指示を出した。
Aさんは映像の一部分を拡大表示させた
赤城「これが見えるか？」
Aさんが表示したのは女性の手の甲の部分
百合根「手メモ...？あ、これ忙しい看護師さんがよくやるやつですよ！つまりこの女性は看護師！」
「ブッブー。キャップもまだまだ素人だね」
素人...これでも一課の刑事でSTのキャップになって2年なんだけどなぁ...
赤城「よく見ろ」
Aさんがさらに拡大し手メモの文字が鮮明になった
百合根「5N ルンバール...？何ですか、これ」
「5Nは5階北病棟、ルンバールは医療用語で腰椎穿刺。
これは髄液を採取する処置で実施できるのは医者だけ
ってことは彼女は？」
百合根「ドクター！」
Aさんはにっこり笑って丸を作った
赤城「年齢から考えると研修医、ただAのような例外は除く。
そしてこの顔、両眉は共に引き寄せられている。
額のしわはその中心部分にでき額全体を横切る形になっている。
この表情は恐怖で支配されてるものの驚きはない。
つまり自分が置かれている状況に至る理由、犯人側の動機に関しては納得している。
それは何を意味するか...」
百合根「つまり...」
赤城「武藤嘉和の死は病院内で起こったこと。医療事故、医療過誤の類に違いはない。
さらに誘拐、脅迫という最終手段に至るにはそれなりの過程があったと考えられる」
菊川「どういうことだよ！」
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年4月17日 10時
