【大恋愛】 ページ50
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side 山吹
三枝さんの店を後にして足を運んだのは拘置所の町田さんのもと
面会室に顔を出すと町田さんは私に尋ねた
町田「あの時、私...山吹さんを殺して自分も死のうと思ってました...
山吹さんは何で抵抗しなかったんですか？」
山吹「ただ一人の男として、あなたを救いたかった...何とも傲慢な男です」
彼女は照れ臭そうに笑った後、頭を下げた
side A
山吹さんが居なくなった後でキャップが私に尋ねた
百合根「Aさんは全部わかった上であえて山吹さんに任せたんですか？」
「ん？あ、お兄ちゃんが山吹さんに任せろって」
百合根「どうして？」
赤城「俺より適任だと判断しただけだ。山吹は町田にとって最後に見つけた居場所だからな」
お兄ちゃん、「冷たい」とか「心がない」ってよく言われるけどホントは誰よりも優しいんだよ
私たちに三枝さんは山吹さんの話をした
三枝「彼女は昔、救おうとしても救えなかった女性によく似ていると山吹くんは言っていました。
若い頃山吹くんは大恋愛をしたそうです。お相手は幼馴染の不良少女
彼女のことを救おうと心焦がしましたが、彼女はバイクの事故で亡くなった。
山吹くん自身も 自 殺 を考えたそうです」
百合根「想像できないな...」
三枝「それを克服するために山吹くんは実家の寺で修行を始めたそうです。
本来山吹くんは誰よりも激しい感情を抱えている
それを抑えるために僧侶の恰好をしているのかもしれませんね...」
そんな彼にお兄ちゃんは尋ねた
赤城「カフェのマスターの恰好をしているのにも、何か理由があるんですか？」
三枝さんは何も答えることなく笑い
キャップにお代わりを提供した。
三枝さんは私たちに何を隠してるんだろう...
第四話 完
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年4月7日 10時
