【居場所が欲しかった】 ページ48
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「どちらか選べなくて迷ってたのはあんたなんじゃないの？
篠崎に独立を勧めたのもあんた」
Aさんは山県さんに強い口調で言った
阿久津「そうだったのか...？」
「阿久津と篠崎が離れれば別々に接触できるからね」
篠崎「そんな...君は僕に着いてきてくれるんじゃ...」
百合根「教える側も信者さんたちも...恋愛感情から少しずつ歯車が狂ってこんなことになったんですね...」
阿久津「私は何も知らなかった。私が彼らの心を救っていれば...」
山吹「...そもそも人が人を救うなどと思うことがおこがましいことなのかもしれません」
山吹さんは町田さんを真っすぐ見つめた
町田「私は...私の居場所が欲しかった...それだけなのに...」
「彼女を追い詰めたのは、あんた達の三角関係だよ...」
町田さんは静かに涙を流した。
side 池田
犯人逮捕で時間はギリギリだったが何とか松戸理事官に報告することが出来た
池田「町田智子のアパートで現場から持ち去られたガムテープとお香が発見されました。
STの分析通り、殺人の容疑で逮捕しました」
松戸「...踏ん反り返って待っていて良かった」
そう言って彼女は捜査資料を渡した
side A
町田さんが逮捕されて署に戻ると私の仕事は終わり
よし、帰ろう！とカバンを手にした時何かが当たった
...あ、草介さんに服返さないと
紙袋を手に草介さんを探すと丁度理事官室から出てきたところだった。
「草介さん」
池田「...何だ」
「これ、ありがとう」
池田「あぁ...君のおかげでクビの皮が繋がったよ」
「ホント！？よかったぁ...」
安堵の声を漏らすと草介さんは眼鏡をクイッと上げながら私に聞いた
池田「聞いてほしい願いは何だ」
「...え？」
池田「寺で言っていただろ」
「...え！いいの！？」
池田「近い...」
冗談だったから何も考えてなかった...
あ、そうだ
「今度一緒にご飯行こうよ！居酒屋！」
池田「酒弱いのにまた酒か」
う、そう言われると...
池田「連絡しろ、ただしつまらんことでは連絡してくるな」
そう言って草介さんは名前とIDを書いた紙を私に渡した
「え！やったぁ！」
まさか連絡先をゲット出来るなんて！
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年4月7日 10時
