青のSP－学校内警察・嶋田隆平ー【5】 (ページ25)

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【もう嫌】ページ25

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side 浅村

流血していた井上さんを保健室に運ぶと三田先生が手当てをしてくださり、しばらくして母親が到着した

「双葉、大丈夫？」

「来ないでよ！もうママの言いなりになるのは嫌！」

そう言って井上さんは母親に背を向けた

「ねぇ、今日のオーディションどうするの？せっかくセリフ覚えたのに勿体ないじゃない...

娘連れて帰ります...ほら双葉、行くわよ？」

「嫌！絶対嫌！」

強引に井上さんを連れて帰ろうとした母親を三田先生が止めに入り、それでも止めない彼女の間に私も加わった

「井上さん、やめてください！お願いします、双葉さんの気持ちも考えてください...」

「部外者は黙ってて...これは親子の問題よ？」

「そうだ、これは親子の問題だ。ただし、子どもを虐待する親は論外だ」

「虐待...？」

「アンタは自分の娘を自傷行為するまで追い詰めた」

「何言ってるの...？私はこの子のためを思って、」

「それは違う。アンタは娘を利用して、人生の生き直しを図ろうとしてるだけだ

こいつは...身勝手な母親の犠牲者だよ」

嶋田さんの言葉に井上さんは涙を流した

「お母さん...双葉さんは今日は私が送っていきますので、どうかお引き取りください」

そう言うと母親は憔悴しきった様子で保健室を後にした。

職員室に戻る途中、嶋田さんに先程の礼を言った

「さっきは井上さんの味方をしてくれてありがとうございました」

「誰かがはっきり言ってやらなきゃ、気付かない親もいるんだ」

そんな私たちのところに姿を見せたのは相良さんだった。

「浅村先生、ちょっといいですか？」

「どうしたの？」

そう言うと彼女はスカートのポケットから折り畳みのナイフを取り出した

「これ...預かってください」

「...銃刀法違反の現行犯だぞ」

「ごめんなさい...」