【ワル】 ページ22
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side 三枝
誰も居なくなった所轄で一人残って書類作成をしていると嶋田さんが声を掛けた
「木島の取り調べ、どうだ？」
「教唆の事実は全て認めてるそうです。まだ裏付け捜査中です」
「...いけそうか？」
「どうでしょうね...
小川香里さんの死はアパートの階段からの転落事故で既に処理されてますから、今回は恐らく不起訴で釈放でしょうね...」
そう言うと嶋田さんは溜息をついた
絶対この人、また何かしようとしてる...
「ちょっと...釈放された途端またブスッ！とか勘弁してくださいよ？」
「心配すんな、今度は誰にも邪魔されないところでやる」
「ええ是非そうしてください、なんて言うわけないでしょ？
これ以上、先生や生徒たちに迷惑かけてどうすんですか」
Aちゃんだって、何だかんだ嶋田さんのこと頼りにしてるのに
大事なお姉さん殺された上に嶋田さんまでいなくなったら...
「あぁ、そっか...お前、少年係だったよな」
「...何です、今更」
「なぁ、お前から見て今の子供たちはどう映る？」
「何です、急に...まぁ外面は大人びてますけど、やっぱり中身は未熟ですよ
衝動的にとんでもないことやらかしたり、誘惑に弱かったり
...ただごく稀に大人顔向けのワルもいますから」
「...ワル？」
「強い意志や新年を持ち目的達成のためならどんな犠牲も厭わない、化け物みたいなやつですよ」
そう言うと嶋田さんは心当たりがあるのか顔をしかめた
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年4月4日 10時
