【人間らしく】 ページ46
.
「戻りませんよ...来るな！」
あぁ、戻さねぇよ...
俺は彼の胸倉を掴んで落ちるギリギリのところまで押し倒した
「おい、おい、おい！な、何してる！」
「新津先生はこの世に嫌気が差してるようですから、なぁ？
...どうした、飛び降りたいんだろ？」
そう言うと彼は目一杯の力で何とか起き上がり自分で縁に上がった
「「あぁ...！あぁ！」」
「やめて！」
「に、新津先生！おい、何が不満なんだ！私に出来ることは何でもする！」
「僕は...人間らしく生きたい...」
「何を言ってるんだ！そんなこと今でも、」
「出来てない！」
新津先生は校長に向き直り続けた
「毎日残業して、休みの日は部活に消えて...ゆっくりご飯も食べれない！
それのどこが人間らしい生活なんですか！」
「新津くん...」
「限られた予算では人は増やせない！仕方ないじゃないですか、ない袖は振れないんですよ！
それが問題だと言うんなら、学校にではなく国に苦情を言うのが筋でしょう！
制度のことなんですから！」
話の通じない校長に柴田先生が口を開いた
「新津は命を懸けてこの学校を変えようとしてるんですよ、少しは聞く耳持ってもいいじゃないですか！」
「黙りなさい！...教師ともあろう者が泣き言 言って、生徒に申し訳ないと思わないんですか！」
「生徒のために言ってるんです！ブラックな学校のままじゃ仕事に集中できません！」
「詭弁はもう結構！結局君たちは楽をしたいだけだ。
はぁ...恥を知りなさい、恥を！」
二人の言い合いを聞いて笑いが止まらなくなった
「...何がおかしいんですか」
「いや俺からしてみれば、どっちもどっちですから
あなた達のその異常なまでの生徒のため精神が問題なんじゃないですか？」
「それのどこが問題なんですか...？私たち教師はそのやりがいのために頑張っているんです！」
「頑張るだけならいい、でも命まで懸けてるようじゃあなた達最早やりがいの 奴 隷 ですよ、 奴 隷
...奴 隷 の分際で、人間らしい生活がしたいなんておこがましいんだよ」
新津先生は俯いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 501人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛音
| 作成日時：2021年3月14日 14時
