青のSPー学校内警察・嶋田隆平ー【3】 (ページ19)

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【フラッシュバック】ページ19

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side 浅村

「春はあけぼの...」

2年生の国語の時間、生徒に音読をしてもらいながらも私の心はそこに在らず

脳裏には新米教師時代のある出来事が浮かんでいた。

クラスメイトから責められる女子生徒

騒ぐみんなに静かにするように声を掛けても収まらず

その女子生徒は教室のベランダから...飛んだ

「はっ！」

「...先生？」

生徒の声で我に返った

「あ...ごめんなさい。じゃあ次は木村さん」

アレンくんも彼女と同じようなことにならなければいいけれど...

帰りのホームルームを終えて職員室に戻る途中、バッグを背負って職員室を出ていく柴田くんを見かけた

「柴田くん？」

「...アレンとこ行ってきます」

アレンくんの居場所、わかったの...？

「一緒に行きますか？」

私はすぐに返事をすることが出来なかった

「先輩、ホントどうしたんですか？何があったのかはあれですけど、

何が正解かはわかりませんけど、何もしないよりした方がいいです！

...俺、行ってきます」

そう言った彼の背中を見つめることしか出来なかった。

side 西田

土屋と矢野と学校からの帰り道、アレンの姿を見つけた

「よぉ。」

アレンは黒い大きなボストンバッグを抱えてそそくさと逃げようとした

「おい、逃げんなよ」

「退いてくれ！」

そう言って俺のことを押しのけるとアイツは逃走した

「いってぇな！追え追え追え！」

ちょうど合流した田村に挟み撃ちするように伝え、河川敷でアレンを蹴り倒した

「俺がビビると思うなクソ！」

「ごめん、ごめん！」

「謝るってことは市原やったのやっぱお前じゃねぇかよ！」

「お前なんだよな？」

「おい、押さえろ。早く押さえろ！」

アレンを押さえつけ田村はアレンが握りしめていたボストンバッグに手を掛けた

「何だよこれ、離せよ！」

「返して！それはダメ！」

チャックを開けると中からは大量のブランド物のバッグ

「は？ブランド物ばっかじゃん！」

「お前何でこんなの持ってんだよ」

他のメンバーに押さえておくよう指示してバッグを奪い取り、川に駆け寄った