【変な人】 ページ49
.
「...てっきり警察で被害届の聞き取りやってるんだと思ってました。
どうして学校に戻ってきたんですか？」
「お前が馬鹿だからだ」
「...は！？」
今、『馬鹿』って言った！？
「馬鹿がつくほどお人好しのお前ならきっと彼女に自首するように説得するだろ？
プライドが高い彼女がブチギレることぐらい想像すればわかる」
「私はただ...澤田先生に人として反省をしてほしくて、」
「それで逆ギレされてりゃ世話ないよ」
「菊池くんだって彼女からの謝罪を受ければ救われたかもしれないじゃないですか！」
「あのな、自分の理想が誰にでも通用すると思うなよ？
そもそもお前がビデオカメラで証拠をサクッと押さえてれば済んだ話なんだ、余計な仕事増やしやがって...」
え、私のせい！？何もかも私のせいなの！？
...ていうか！！
「やっぱり嶋田さんだったんですね、あのビデオカメラ！」
「知らないね」
「今そう言ったじゃないですか！...何なのあれ」
認めたと思えばしらばっくれて...えっ、何あの人
side 柴田
職員会議で校長から澤田先生の逮捕が伝えられた
「えぇ、昨日澤田先生が逮捕され現在取り調べ中です。起訴されたら懲戒免職は免れないでしょう」
「まさかマスコミに実名が出たりしませんよね？」
「それはありません、被害者が未成年なので」
校長は大きくため息をついた
「それにしても何で我が校ばっかり...」
「...スクールポリス制度を引き受けたからじゃないですか？
と、柴田先生が言ってます」
...え！？言ってないです！！ちょっと思ったけど！
「とにかく！皆さん気を引き締めてくださいね？お願いしますよ！」
気が緩んでることが原因だとは思えないけどなぁ...
side 嶋田
グラウンドで陸上部の練習を眺めていた今井に声を掛けた
「ここからジッと見てることがお前の罪滅ぼしなのか？」
「私はそんなつもりじゃ...」
「...おめでたいよな
それで反省した気になってんだから。あっちはマネージャー居なくなって困ってんのに
そうやって一生引きずって行くつもりか？それとお前、何か勘違いしてないか？
自分のことを特殊な人間だと思ってるかもしれないが、お前みたいなやつはこの世の中にごまんといるからな？」
彼女の表情が少しだけ柔らかくなった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 437人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛音
| 作成日時：2021年3月2日 13時
