【差し入れ】 ページ44
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side 水野
いつもの店で浅村先生と柴田先生と夕食を摂っていると
浅村先生の話は菊池くんのセクハラとそれに対する嶋田さんの愚痴でいっぱいだった。
「ホント見損ないましたよ...」
「でも嶋田さんの言ってることは正論だってあなたもわかってるんでしょ？」
「それは...っていうか何で柴田くん頭抱えてんの？」
...うわ、ストレートに聞いた
柴田先生も見損なったよね？思いを寄せる相手がまさか生徒にセクハラしてるなんて
「はぁ...だってぇ、澤田先生にそんな趣味があったなんて」
...ほらね
「そこじゃないでしょ！？教師として悩むべきとこって今そこじゃないでしょ！？」
「...生徒へのセクハラですか？」
「それ！」
「いやでもそれ難しいですよ？まぁ例えば先輩俺が仕事でミスると『そんなんだから彼女できない！』とか
『もうあなたに落ち込む資格ない！』とかよく言うでしょ？
それって、もう俺の受け取り方次第では立っ派なセクハラですからね！？」
え、浅村先生...柴田先生にそんなこと言ってたんだ？
「確かに澤田先生も『本当に疲れを癒してあげたかった』って主張されたらセクハラ認定はされないものね？」
「...そ、それぐらいわかってますよ」
「じゃあどうするの？」
明日からの浅村先生がどう動くかな...
side 三枝
所轄のパソコンにと向き合ってデータの記録をしていた
「...よし！あぁー！」
「差し入れ」
グッドタイミング！だけど痛い！
差し入れの入った袋を嶋田さんは俺の顔にぶつけてきた
でも嶋田さんが差し入れなんて珍しい！！
「うわぁ！えっ！ありがとうございま...」
中を見て絶望した
「いやカップ麺とおにぎりってもっとまともなの...」
「嫌なら食うなよ！」
「ちょっ、頂きますよ。何もないよりはマシですから」
袋を奪い返しておにぎりを取り出した時、嶋田さんは胸ポケットから一枚の男性の写真を出した
「...何ですか」
「コイツの住所調べろ」
「結局雑用ですか...」
「もしかしたら所轄がひっくり返るかもしれないぞ」
おにぎりを口にしながらその写真を手に取った
「何もんなんですか、コイツ」
「俺が今一番気になってるやつだ」
...え、嶋田さんまさかのソッチ系？
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年3月2日 13時
