【過呼吸】 ページ42
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side 木島
校内で涌井美月に詰め寄る嶋田さんを見かけた
間違いない、一年前の事件のことを聞き出している
察した私は彼と親しい浅村先生に連絡を取った
「もしもし」
「嶋田さんが涌井美月に接触しました。彼には何か狙いでもあるんでしょうかね
最初からおかしいと思ってたんです。
捜査一課の切れ者がうちみたいな無名のスクールポリスに志願するなんて...
これ以上彼が一年前のことをほじくり返すようなら、その時はすぐに知らせてください。
すぐに学校から排除できるよう教育委員会に相談します」
「...わかりました」
彼がスクールポリスを志願した本当の理由は何だ...？
まぁいい、こちらにはいくらでも成す術がある
いつでもアイツのことを消すことが出来るからな...
side 浅村
校長から連絡を受けてボーッと階段を上がっていると踊り場で誰かとぶつかった
顔を見るとうちのクラスの菊池くんだった
「あっ。あ...ごめんね、菊池くん」
ぶつかった拍子に彼が持っていた教材が落ち、拾おうとすると彼も同じものを拾おうとしたみたいで手が重なった
咄嗟に手を引っ込め手首を擦った彼
「大丈夫？怪我した？」
様子を見ようと彼に触れた時だった
「触るな！」
「えっ？」
私の手を振り払い、菊池くんは過呼吸を起こし始めていた
「菊池くん！？大丈夫！？菊池くん！」
‶触るな″と言われた矢先、彼の背中を擦ることも出来ずひとまず保健室に運んでもらい
時間を置いて様子を見に行った
「どう？気分は。少しは落ち着いた？」
「...はい」
「菊池くん...あの、何かごめんね...？」
「...いえ」
彼の様子を見て三田先生が尋ねた
「...もしかして、女の人が怖い？」
菊池くんは腕で目元を隠した
「思い詰めなくていいのよ？人それぞれ苦手なものあるんだから...
私は犬が苦手。小さい頃怖い思いして、」
「同級生とかだと全然平気なんです。でも...
年上の女の人に触られると急に怖くなって...」
「それって...いつ頃から？何でそんな風になったのかな？」
三田先生の問いに彼は背を向け顔を隠した
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年3月2日 13時
