【異変】 ページ11
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side 阿部
嶋田に言われた通り生徒全員の指紋を集めていた
「次、仲村」
名前を呼んでも来ることはなく、仲村は机に顔を伏せたままだった
「おい、仲村！」
「ははっ...」
「どうした？」
仲村の机まで歩み寄ると彼は急に笑いながら大きく体を前後に揺らした
「はははははは！！」
「おいおい、おい！何だ！どうした！」
笑い声を上げながら彼は走って教室から飛び出した
「おい！どこ行くんだ！」
廊下を走りまい、シャツを脱ぎ捨て、上裸になり
向かった先はベランダ
「おい！仲村！おい...」
ベランダに追いついたところで仲村が履いていた制服のパンツが投げられ、それを除けると彼はベランダの縁に立った
飛び降りる気か！？
「仲村！」
「やめろ！」
尻もちをついて動けない俺に代わって彼を引きずり下ろしたのは嶋田だった
「仲村！」
「救急車！」
「仲村くん...？」
気を失い彼は泡を吹いていた
「異常な発汗、激しい動悸...恐らく、ドラッグだ」
仲村は救急車で病院に運ばれた
side 嶋田
おかしな行動を取り気を失った仲村を病院に運び、三田先生と担任の阿部先生に説明をした
「ドラッグですか！？」
「そんな...」
「薬 物 検査の結果も出るだろう。まぁどうせ安もんだろうな」
「高いか安いかはどうでもいい！」
「阿部先生...」
「仲村がドラッグ？ありえない。」
「...ありえない？」
何故そう言い切れるのか
「アイツはサッカー部で最後の都大会に向けて毎日練習に励んでたんだ」
「それとドラッグなんてやらないと、どう結びつく？」
「俺は2年3年とアイツを担任で見てきた。ずっと部活には真剣で、2年でやっと補欠からレギュラーに上がって
今度の大会に懸けてたんだ。そんなやつがドラッグなんて...
それにそもそもドラッグなんてどこで手に入れる？」
「それを買うお金も必要ですしね...」
「まさか...備品を転売した金か...？」
まぁ、それも一理あるだろうな
俺はあることを調べるために電話を掛けた
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年3月2日 13時
