教場Ⅱ (ページ47)

今日:7 hit、昨日:29 hit、合計:407,077 hit

【掲示板】ページ47

.

side 漆原

風間教官に呼び出されて第三教場に走る

「しっ、失礼します...漆原透介、参りました...」

教場内には風間教官と遠野さんがいた

「教練にはもう慣れたか」

「あっ...い、いいえ」

そう返事をすると教官は教壇に上がるよう指示し、補習授業を始めた

「休め、楽に休め

...昨日、君は門限ギリギリに帰って来たのは覚えてるな」

「は...はい」

「その後、校舎の中を走り回っていたそうだな。どういうことなのか君の口から説明してくれないか」

緊張が走り言葉が詰まってしまった

「言いたくないか？ならば代わりに遠野、君が答えろ」

『あ、え？』

遠野さんは...事情を知ってる...？

どうして...

あの場に学生は僕しか...

『えっと...漆原くんは校舎の中で何か探してたんだよね？

それはスマホとかパソコンを持ってたら探さなくても済んだかもしれないもの...

でもここはスマホを取り上げられてパソコンは使えない、公衆電話でも使い物にならない

だから漆原くんは掲示板を探していた』

「あ...」

「掲示板の場所がわからない訳ないだろう

...答えろ」

僕の焦りは最高潮に達していた

「何か所も見ないと、全部見ないと、急いでみないと、あぁ！！

今もです！！行かないと！！早く見ないと！！」

僕は教場を飛び出した

side 遠野

聴取中に教場を飛び出した漆原くんを教官と追いかけると

彼は掲示物を隈なく見ていた

「ここでしか知ることが出来ずしかも早く知りたいこととは何だ！」

「あぁ、あの人が！！あの人がどうなったのか！！」

教官の後ろを用務教員の小野さんが通り過ぎると彼女の姿を確認した漆原くんは小野さんを追いかけた

掲示を終えた小野さんに頭を下げた漆原くんは頭を抱え呼吸を乱し泣きわめいた

『嘘...』

後に掲示物を見て私も言葉を失った

だってそこに書かれていたのは

‶殉職者宮坂定″だったから...