教場Ⅱ (ページ46)

今日:11 hit、昨日:35 hit、合計:407,116 hit

【呼び出し】ページ46

.

side 風間

須賀副教官から証言を元に昨日の漆原の行動を読み解いていた

「何をなさってるんです？」

私に声を掛けたのは田澤副教官だ

「漆原くんのことですよね？授業でも集中力が欠けていました

やはり、アレの症状なのでは...？薬ぶ、」

「何が見える」

私は彼女の発言を遮り廊下に見える物を尋ねた

「言ってみろ」

「教室のドアとか窓、壁のポスター、ゴミ箱、消火器、蛍光灯...」

「走り回っていたのは何故だ」

「...公衆電話を捜していたのでは？

私の場合、仮入校したのを実家の親に伝えたくて

公衆電話を探し回った...」

「今は6月の終わりだ」

仮入校からどれだけの月日が流れていると思っている

観察力に欠けていると判断し私は放課後、遠野を呼んだ

side 遠野

今日はよく呼ばれるぜ...

いや、幸せこの上ないんですけどね？

多分話は漆原くんのことだろうけど、私も彼のことで分かったことがあった。

『失礼します、遠野A参りました』

「何度も呼び出して申し訳ない」

いえ、先程心の中で言いましたがあなたに会えるだけでこちらは幸せなので問題ありません！！

...ではなく

『いえ。漆原くんのことでしょうか？私も彼のことで分かったことがあります』

「...話を聞こう」

私は今日一日、彼を観察していて気づいたことを述べた

最初は彼の行動から薬物を疑った

でもそうではない。

『彼は何か探しているように見えました。何か知りたいことがある...

しかしここは警察学校です。スマホやインターネットが自由に使えるわけではありません

そうだとすれば...掲示板を探していたのではないでしょうか』

「私も同意見だ」

...イエス！以心伝心ってやつですね！！

「では掲示板で知りたかった情報とは何だ」

...いやそれはわからん

心理カウンセラーの資格は持ってないし漆原くんと長年連れ添ってきたわけでもないし...

ちなみに風間教官がいつも考えていることも私にはわかりません！！

...また妄想が横道に反れた

『掲示板でしか知ることが出来ないもの...』

逆に掲示板で知ることが出来るのは

学校内の紛失物、連絡事項、それから...

『殉職者...』

「なら、漆原に聞くことにしよう」

私にこのまま待機するように伝え教官は教場に漆原くんを呼び出した。