教場Ⅱ (ページ42)

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【もしかして...】ページ42

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教場の扉を開くとそこに遠野さんたちの姿はなかった

「あれあれ？死体ちゃんがいない...」

「しくじったかも...戻ろう！！」

杣がそう言って教場を飛び出し俺たちはそれに続いた

練習交番に戻ると卓上から電話がなくなっていた

「そこまで」

同期を掻き分けて第一班が入ってきた

「盗んじゃいました」

伊佐木の手には電話が握られていた

「仲良しこよしで全員揃って臨場か。呆れて物も言えないとはこのことだ」

「...すいません」

「誘い出し事案、と言われるものだ。通報を真に受けた警察官がひとり残らず臨場した後

交番から物が盗まれることがある。電話機なら始末書で済むがこれがもし拳銃ともなれば重大な事案になる。

警察官が動いたところはすべて現場だ。この交番ですら現場になることを忘れるな」

「...返事は！」

「「はい！！」」

「杣。教科書をただ覚えるだけでは現場で役に立たない」

風間教官が杣にキツイ一言を浴びせたところで須賀副教官が言った

「お前ら四人で行ったんだよな？もう一人は、」

そう言えば...また漆原の姿が見えない

その時、かなり遅れて漆原が交番に戻ってきた

「すいません！」

「遅い！」

俺は漆原が俺たちとは時間の感じ方が違うことを副教官に伝え、漆原がそれを説明したが

副教官は『言い訳だ』と今度遅刻したらクビにすることを漆原に告げた